新着情報News

シンポジウム「データサイエンスと人文学の協働による研究・教育の可能性 : 九州大学数理・データサイエンス教育研究センターの取り組み」を開催しました(2023年3月15日)

2023年03月30日

2023年3月15日(水)14時30分より、オンラインにて、「データサイエンスと人文学の協働による研究・教育の可能性 : 九州大学数理・データサイエンス教育研究センターの取り組み」と題するシンポジウムを開催しました。

九州大学では、大学院人文科学研究院、統合新領域学府ライブラリーサイエンス専攻、数理・データサイエンス教育研究センターの連携により、文部科学省大学教育再生戦略推進費「デジタルと掛けるダブルメジャー大学院教育構築事業 ~Xプログラム~」による、「ウェル・ビーイングの実現に貢献する高度人文情報人材養成プログラム:人文学×データサイエンスによる「人文情報学」大学院の設置」と題する新しい学際的大学院プログラムを開始することとなりました。

このシンポジウムは、新教育プログラムの発足を記念して、大学院人文科学研究院の主催、数理・データサイエンス教育研究センターと人社系協働研究・教育コモンズの共催により開催されたものです。

「データサイエンスと人部学の協働による研究・教育」というテーマを軸に、数理・データサイエンスがご専門の研究者から3本の報告を行いました。当日は、オンラインで77名のご参加を得ました。

シンポジウムでは、まずXプログラムを主導する大学院人文科学府の上山あゆみ学府長より、開会の挨拶を兼ねて、Xプログラムが紹介されました。その後、人文科学研究院と数理・データサイエンス教育研究センターに所属する太田真理准教授より、シンポジウムの趣旨説明とセンターの紹介が行われました。

報告では、数理・データサイエンス教育研究センターに所属する3名の教員より、数理・データサイエンスと人文学に関わる研究が紹介されました。

まず、数理・データサイエンス教育研究センターのセンター長を務める内田誠一教授から、「画像情報学研究者から見た文字の魅力」と題する報告が行われ、文字が持つメッセージ・ラベル・デザイン・通信符号という4つの機能を、数理・データサイエンスの最新技術を駆使して明らかにした研究についてご紹介いただきました。

川野秀一教授は、「計量万葉学:データサイエンスによるアプローチ」と題して、数理統計学者の立場から、万葉歌の音素パターンの計量分析で歌人の特徴を抽出した研究についてご紹介いただきました。また、日本古典文学の研究者との共同研究を行う上での苦労など、人文学と数理・データサイエンスの共同研究を進める上で示唆に富む経験談もお話しいただきました。

島田敬士教授は、「教学データサイエンスの普及に向けて」と題して、九州大学の教育データ・学習ログ(教学データ)を利用した、教育学習支援についての研究をご紹介いただきました。また、教学データの利用普及に向けたオープンソースライブラリOpenLAの開発や、教職員と学生間でオンキャンパスジョブのマッチングを行うギルドプラットフォームについてもご紹介いただきました。

人文科学研究院、数理・データサイエンス教育研究センターでは、今回の新プログラムの採択を受けて、新しい大学院教育プログラムの実施を目指して努力しているところです。人文学と数理・データサイエンスに貢献する人材の養成に寄与できるよう邁進いたしますので、関係各位の温かいご支援を、なにとぞよろしくお願いいたします。

発表の詳細については、こちらをご参照ください。